ここ数年で一気呵成に人気ブランドへと上り詰めたStrandberg。
その優れたサウンドと軽量さ、そして何よりも圧倒的な演奏性により高い支持を得ております。
2007年にスウェーデンのOla Strandbergにより立ち上げられ、2010年にギターの販売を開始致しました。 それ以来本国(スウェーデン)製を始めとして米国製、中国、韓国、インドネシア製等様々な国製のラインナップを立ち上げました。 その中でも製品のクオリティーが最も高くストランドベリ氏より篤い信頼を勝ち取った国が日本製の製品でした。
それまでは複数の国で生産をしていた同社のギターのラインナップはみるみる厳選されていき、最終的に本国製も生産を止めてしまい、クオリティー重視のラインナップは日本製のみとなりました。 特にJ-Customシリーズは本国製以上に厳選された木材と精巧な工作機械、そして熟練の職人の豊富な知識と確かな腕前により作り上げられており、それらのギターを手にするプレイヤーはみるみるその魅力に惹き込まれてしまいます。 Strandbergの特徴の中でも特に独創的で支持されているポイントは、ネック回りになるでしょう。
まず最初に目に付く点は従来のギターにはあるはずのヘッドが無い点でしょう。 ヘッドをなくす事で、従来のギター以上にボディーの軽量化を図る事が出来る様になっております。 通常、ボディーを軽くし過ぎるとヘッドとのバランスが崩れてしまいヘッド落ちの原因となってしまいます。 しかし、ヘッドそのものを無くした事でヘッドとボディーの重量バランスを考慮する必要性が無くなり、最大限の軽量化を図る事が出来ました。 次に目に付く点が、扇状にフレットが打ち込まれたファンドフレットに関してでしょう。
こちらは、Strandbergの製造理念上このシステムを採用したのかと思われがちですが、実は演奏性よりもサウンドを重視して採用されております。 マルチスケールとも称される通り、このフレットシステムは複数のネックスケールを1つのギターに採用する為に考案されたシステムとなります。 ネックスケールを決めてしまうと、各弦のテンションに差異が生まれてしまうことはご存知でしょうか。 1弦側のテンションは硬く、6弦側に向かうにつれて段々とテンションが緩くなっていき、コードを鳴らした際には各弦のバランスが崩れてしまっております。 もちろんこれはこれでギターらしいサウンドである為殆どのプレイヤーになじみのあるサウンドでございます。 しかし、このバランスの乱れを最大限抑え、均一な鳴りを再現する事が出来るとしたらどうなるのだろうか。 この命題を追求した結果が、ファンドフレットとなります。
サウンド的には、各弦のテンションが強いまま弦を鳴らす事が出来る為、非常に分離感の良いサウンドとなります。 今まで巻弦の音が篭る事に悩んでいた方や、ドロップチューニングを多用するプレイヤーにとって、このファンドフレットシステムは非常にマッチしております。 そしてネックを握った際に気付くであろう点が、他のギターとは異なり台形に仕上げられたネックシェイプに関してです。 通常角を落としてCやVシェイプに仕上げられるネックですが、Strandbergは角を残した台形ネック(特許取得済み)を採用しております。 このネックシェイプは所謂、人体力学に基づいて割り出されたネックシェイプで、演奏時手首にかかるストレスを最大限抑え、スムーズな運指が出来る様に意図されております。 握ってみると意外なことに違和感なく演奏が出来るので、中々の驚きを実感する事になるでしょう。
Serial No.D2002026