E.N.T EFFECTS Interview

今回はE.N.T EFFECTS榎本さんのインタビューとなります。

楽器フェア2020のラムトリックカンパニー様のブースにて、代表の榎本さんにご挨拶させていただいたことがきっかけで、インタビューが実現しました。

榎本さんがどのようなこだわりや想いをもってエフェクター制作を行っているのかをご覧ください。

どうしてギターを始めたんですか?

中学の頃に友人間で他の人が知らないバンドを知っている俺カッコイイブームがありまして()これをきっかけにいろいろなバンドの音楽を聴くようになりました。中三の頃ですかね? the band apartを聴いたときにギターがものすごくかっこよくて、ギター弾いてみたい!と思ったんですよ。

親父にお願いをして、高校の合格祝いに7万円位のFender Japanのギターを買ってもらったのがギターを始めたきっかけですね。

ギターを手に入れてからの生活はどうでした?


ずっとギターを弾いていて、高校にほとんど行かなかったんですよ()高校は何度か留年しかけました()高校に軽音楽部がなかったので外でバンドを組んでいました。

あまり学校に行く気にならなくて、ずっと家でギターを弾いたり、友達とスタジオに行ったり。でもこの頃の経験が今でも活かされています。

どのように活かされていますか?


ギターをはじめた時、誰かに習うのではなく、上達するために何をすれば良いのかを自分自身で考えてきたんですね。アイデアを練って一つ一つ課題を乗り越えれば、前に進める考えが身に付きました。この考えがエフェクター作りにも活きています。

僕自身、これまでのキャリアが音楽業界と全く関係なくて、普通のサラリーマンをしていました。エフェクター作りも誰かに学んだわけではなく、全部独学でやってここまで来ました。

これまでギターを弾いてこられて、プレイヤーとして進むこともできたわけじゃないですか?
エフェクター作りを志したきっかけは何ですか?


きっかけは、やっぱりエフェクターが好きだったからというのが一番ですね。

もちろんギターを弾くことも好きなんですけど、僕は上手くなりたいというよりも、まず良いサウンドを出したい気持ちが強かったんです。

学生の頃ってお金がないじゃないですか。ギターやアンプを購入するとなると出費が大きくなってしまいますが、そこまでお金が無かったのでエフェクターをとっかえひっかえして良いサウンドを作ろうとしていました。ギターを始めた頃からエフェクターには興味があって、たくさん売っては買って、を繰り返してきました。

様々なエフェクターに触れてきたと思いますが、印象に残っていたり、影響を受けたエフェクターはありますか?


エフェクターの中でも特に影響を受けたのがランドグラフのDynamic Over Driveでしたね。学生の頃、すごく気になっていたんですけど、高すぎて買えませんでした。

そこで買えないなら作ってしまおうと、Dynamic Over Driveを自作するところからエフェクター作りが始まりました。学生の頃から回路図を参考にして、はんだ付けをしてみたり、色々なエフェクターのコピーや製作をしてきましたが、本気でエフェクター作りを学び始めたのはここ一年半くらいです。趣味を仕事にしたいと意識が変わるまでは少し時間がかかりましたね。

サラリーマンをやめて、エフェクター作りに舵を切ったわけじゃないですか。 何がスイッチだったのですか?


自分の人生観で、30歳になった時にやっている仕事を一生続けていくという考えがあって。

27歳の時に働いていた仕事が好きでも嫌いでもなく、これを続ける人生は全然面白くないなと思いました。この頃は社会人になって忙しくなって、エフェクター作りもギターを弾くこともあまりしなくなってきていた時期でしたが、毎日ギターやエフェクターの情報だけは自然と収集していて、すっかり音楽や楽器が人生の一部になっていたことに気が付きました。

そこで自分の一番好きな音楽の道に突っ走っていきたいなと。いい大人だし、自分のやりたいことは責任を持ってやり遂げようと思いました。それがエフェクター作りに舵を切ったきっかけですね。

凄くしびれますね。 よかったら今後の展望について教えてください


最終的には品質の良いエフェクターを、手に取りやすい価格で出していきたいです。

最近は、ブティック系のエフェクターで価格が25,000円~というものが多いと思うんですけど、それはどうなのかと感じているので、誰でも手に取りやすい物を提供したいですね。

あとは、オリジナルの回路でエフェクターを作っていきたいです。

エフェクターの歴史って1970年位からと長いじゃないですか。オーバードライブが生まれて、80年代位からコンパクトエフェクターが発明されて。でも、当時の回路って大分出尽くしていて、新商品も見た目は違えど、中身は何かの焼き増しだったりしていました。

E.N.T はオリジナルと言い張れる回路のエフェクターを作っていきます。

現代において、進化のスピードが早い音楽シーンにマッチするモダンなサウンドのものを提供していきます。Aggressive Over Driveを購入したら是非とも「エフェクター内部」を見ていただきたい。Twitter等のSNSに載せてもらえたら嬉しいです。

「エフェクター内部」SNSに掲載されても問題ありませんか?


Aggressive Over Drive
の回路はシンプルといえばシンプルですが、高速オペアンプを2個使用するという今までにない仕様を知ってもらえたら嬉しいですね。オペアンプを2個使うと、音がどのように変わるかを楽しんで欲しいです。

少し話は飛びますが、実は2作目のエフェクターを作成していまして、回路もデザインも決まりました。それも今までになかったような回路です。

2作目の回路を完成させた後にどんどん新しいアイデアが浮かんできています。1作目も2作目も回路を見てもらって真似されたとしても、それは僕の古いアイデアなので、全く気にしないです。

エフェクターってブラックボックス化されていると思うんです。

最近のエフェクターの外見は、豪華になっていっていますけど、どのようなプロセスを経てこういう音になったのか? 中身にこだわっているブランドってあんまりないと思います。

E.N.Tは、オーディオグレードのパーツや高速オペアンプ、新しい回路と中身でプレイヤーの皆さんに訴求していきます。何かのタイミングでエフェクターの作り方を伝えることができる機会を設けていけたらと思います!

こだわりがぎっしり詰まってますよね! 差し支えなければ2作目のエフェクターについて伺っても良いですか?


もちろんです。新作はE.N.T EFFECTS流の、トランスペアレント系オーバードライブになります。4ノブタイプ、ボリューム、ゲイン、トレブル、ベースのツマミがある回路が完成しました。既存のトランスペアレント系のエフェクターと、回路が70%程度異なります。

ゲインの増幅回路は基本的な仕様にしていますが、それ以外の回路は誰もやっていない新しい規格のものになります。従来のトランスペアレント系の回路だと、ブランドコンセプトの「高解像度の音」をアウトプットできなかったので、オリジナル回路で仕上げました。

名前は「真打Over Drive」です。

おぉー! Aggressive Over Driveとはまた響きが大きく異なりますね! 由来はなんですか?


今回は挑戦的な名前にしたいと思って、サウンドよりも先に名前が浮かびました。

落語で「真打」というと、何年も修行して人気が出てきて、落語も上手くなって、という人が落語評議会で与えられる称号なので、「真打」と呼ばれるような回路を設計したいなぁと思ったんです。刀でも何本も作った中で一番いいものを真打と呼ぶじゃないですか。試行錯誤を重ねた中で。真打と呼べるような回路が完成したので、この名前を付けました。

アルファベットで差し障りのない感じにするのではなくて、漢字で攻めます。

世界のプレイヤーにも日本発のペダルとして認知してほしいので漢字です。

新商品の情報を教えていただきありがとうございます。 E.N.TさんがJAM²とコラボしてくれるきっかけは何だったのでしょうか?


石倉さんがおもしろかったからですかね()

やっぱり人を見て一緒に仕事をする人は決めたいです。自分自身おもしろおかしく色々な取り組みを行っていきたいので、それならおもしろい人と一緒にやりたいなと! E.N.T EFFECTSのエフェクターは、JAM²さんを通じて試奏して納得した上で購入していただけたら嬉しいですね。

身に余るお言葉です(笑) 最後に榎本さんの持っている機材を教えてください!


Ted Stevenson Guitars
のオーダー品(レフティモデル)を使っています! カナダのテッドスティーブンソンさんが作っているハイエンドギターです。

SSHのストラトシェイプでディンキーボディー、ピックアップはリアがSuhrSSH+でフロントとセンターがSeymour DuncanSSL-1、ネックシェイプは平たくて、Gibson系と同じくらいのラディアスですね。フレットはステンレスです。

SuhrTom Andersonもいいですが、みんなが使っていて被りたくなかったので、Ted Stevensonを選びました。スティーブンソンさんはパーフェロー好きなので、オーダーする際にはパーフェロー材を激推しされると思います!

Ted Stevenson Guitars知らなかったです。今度スタジオで音を聴かせてください! インタビューありがとうございました!

取材協力≫
E.N.T EFFECTS
東京都中野区
https://tba3456.wixsite.com/ent-effects/aod
https://twitter.com/effects_ent